「タタル渓谷で正体不明の第七音素が・・・・?」
難しい顔をして話し合っているアスランさんとジェイドをよそに、ようやく始まったかと思った。
ついに会えるんだな、この世界のレプリカルークに!
どんな奴かな〜?
やっぱりゲーム本編のような長髪君かな?
それとも意表をついて俺みたいに、ちょっと違う奴?
どっちにしろ楽しみだけどー!
「ルルー、どうしたのですか?」
わぉ、何だか知らないけど最初から俺に懐いてくれてるイオンが不思議そうな顔で首を傾げてた。(その分アニスには何だか睨まれてるんだけどね? 俺、何かしたかなぁ?)
「え?」
「何だか嬉しそうな顔をしてましたよ?」
あちゃー!
楽しみにしてたのが顔に出てたか。
「予感がするんです。」
「予感?」
「えぇ。とても素敵な出会いがあるだろうな・・・・と。導師様とお会いした時のように。」
「・・・・それが正体不明の第七音素ですか?」
おっと、いつの間にかアスランさんとジェイドにも何故か見られてたよ!?
今まで本編の知識を予感として匂わしてたからなぁ・・・・。
今の所勘が鋭いくらいにしか思われてないだと思うけど、信じてくれてるようだから、モーマンタイだ!
「いずれ、会えるでしょう。」
ゲーム通りならエンゲーブで落ち合うからね。
俺がそう言うとアスランさんはあっさり頷き、ジェイドには無表情のまま少し溜息を吐かれ(何故!?)、イオンは期待に目を輝かせてるし、アニスは胡散臭そうに俺を見ている。
うーん、見事なまでに違う反応だな。
あ、でもルークに会う前に漆黒の翼が出てくるんだっけ?
『閣下、大佐! 前方に怪しい馬車を発見。どうやら漆黒の翼と思われます!』
見事なタイミングで出て来たな!
「直ちに追い―――」
「「ません!」」
部下からの通信に、ジェイドが追うように指示を出そうとしているのに気付いて、アスランと一緒に待ったをかけた。
やっぱり追いかけようとしたか・・・・全くジェイドは!
「何故です?」
訝しげに眉を寄せているジェイドに、呆れてしまった。
本当に分かってないのか!?
あー・・・ほら、アスランさんが笑いながら青筋浮かべてるじゃねーか恐ろしい。
「カーティス大佐、我々は何です?」
「いきなり何ですか?」
「いいから答えなさい。」
「キムラスカへの和平の使者です。」
「そうですね。しかもそれは皇帝から密命であり、同時に『疾く行動せよ』と仰せの特別任務です。一介の盗賊に付き合う余裕はありません。ましてこの艦には導師様がいらっしゃいます。無用な争いは避けるべきです。」
うんうん、普通そうだよねー。
頭いい癖に思考がズレてるのがまさにジェイドクォリティだよねー。
「エンゲーブに追うように通達してしまえば、配属されている部隊が手薄になってしまいます。マルクトの食糧庫を守護する部隊を手薄にする事はできない、となれば・・・・・セントビナーの軍基地に通信を。直ちに部隊を編成し、盗賊団漆黒の翼を捕縛せよと。」
ジェイドから通信機を奪い、アスランさんがそう命令を下した。
おぉっ! 格好良い!!
本当のゲームでもこの人が和平の使者になってたら、ルークもあんな結末を迎えるような事はなかったかもしれないな・・・。
「カーティス大佐、くれぐれも優先順位を間違えないように。」
そもそも皇帝の密命とポッと出の盗賊団の捕縛とじゃぁ、比べようもないと思うんだけどね!
アホな俺でも分かるんだ、頑張ってもうちょっと常識身に着けような!
大丈夫、ジェイドはやれば出来る子なのよ!? なーんてね!
今更三十路のおっさんにやれば出来る子はないわー。
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